福岡市薬院で料理教室を主宰している健・美・食プロデューサーのかもはらいずみです。
朝晩が涼しくなり、スーパーやお米屋さんの店先に「新米」の文字が並ぶ季節になりました。
甘くて美味しいつやつやの炊きたてごはんは、それだけでごちそうになりますね。
時々、マンツーマンのレッスンで生徒さんから聞かれるお悩みに
「新米なのに、なんだかべちゃっとしてしまって…」があります。
新米は、いつものお米と同じように炊くとやわらかくなりすぎることがありますね。
ここでは、新米をおいしく炊くコツと、おいしさを長持ちさせる保存方法についてお話ししていきましょう。
新米がやわらかくなりやすいのはなぜ?
新米は収穫してからあまり時間がたっていないため、お米の中に水分を多く含んでいます。
そのため、いつもどおりの水加減で炊くと、水分が多すぎてやわらかめに炊き上がることがあるのです。
新米ならではのみずみずしさと甘みを活かすには、ちょっとした水加減の工夫がポイントです。
お米のおいしい研ぎ方は?
お米を研ぐときに一番大切なのは、最初の水をすぐに捨てることです。
そして、できれば浄水器のお水で研ぎます。
乾いたお米は、最初に触れた水をぐんぐん吸い込みます。
なので、なるべく不純物が入っていないお水で研ぎます。
ぬかのにおいが溶け出した水を吸わせないように、最初の水はさっと混ぜたらすぐに捨てましょう。
米研ぎボウルを使えば、ボウルの下に穴が開いているので、研いだ瞬間から水が捨てられて便利です。
私が使っているものはこちら。
(もう30年以上使っています。いまはもっとオシャレなものが出ていますよね)
そのあとは、手のひらでやさしくかき混ぜるように研ぎます。
今のお米は精米の技術が上がっているので、昔のようにギュッギュッと力を入れて研ぐ必要はありません。
力を入れすぎると、お米が割れて炊き上がりがべたつく原因になることも。
水を替えながら2〜3回すすぎ、水がうっすら透けて見えるくらいになれば大丈夫です。
研いだらザルにあげて20〜30分おく
研いだお米は浸水せず、ザルにあげたまましばらくおきます。
こうすることで、お米は余分な水分を吸わずに自分の周りについた水分だけを吸うので、べちゃっとするのを防げます。
おいておく時間の目安は、気温が高い時期なら20分、涼しくなってきたら30分〜ほどです。
時間があるときは、研いだお米を冷蔵庫に入れておくのもひとつの方法です。
お米の甘みが引き出されやすくなるといわれています。
新米の水加減は?
水加減は「目盛りどおり」または「少し控えめ」から
新米は水分を多く含んでいるので、炊飯器の目盛りどおり、またはほんの少し控えめから試してみるのがオススメです。
1回で決めようとせず、炊き上がりを見ながら、次回は少し増やす・減らすと調整していくと、ご家庭の炊飯器にぴったりの水加減が見つかりますよ。
ちなみに私は20年以上、土鍋で炊いています。

とても美味しく炊けるし、洗うのもラクなので、炊飯器は手放しました。
お米の甘みを引き出すには?
お米が甘くなる理由を知っておくと便利です。(これは新米に限ったことではありません)
お米は、でんぷん質が糊化(アルファ化といいます)し始める過程で甘くなると言われています。
炊飯中にお米の糖が最も増えるのは、糊化(アルファ化)が始まる手前の40〜60℃のあたりです。
お米自身が持つ酵素がでんぷんを分解して糖をつくるためで、これがごはんの甘みにつながると考えられています。
出典:松永暁子・石田信昭・貝沼圭二「炊飯過程における糊化度について」
日本食品工業学会誌 32巻11号(1985)よりグラフ化
※沸騰した時点ではα化はまだ途中で、その後の加熱と蒸らしで仕上がっていきます。
このグラフからもわかるように、炊飯中にお米の糖が最も増えるのは、糊化(アルファ化)が始まる手前の40〜60℃のあたりです。
お米自身が持つ酵素がでんぷんを分解して糖をつくるためで、これがごはんの甘みにつながると考えられています。
なので、60℃に達するまでの時間を長くするために「冷蔵庫でお米を冷やしておく」のは理にかなっているのです。
もうひとつ。私がやっている工夫をご紹介しますね。
それは、あらかじめ浄水を冷やしておくことです。
我が家の冷蔵庫のドアポケットには、常に冷水をキープしています。

前夜にお米は洗っておくので、朝はこのペットボトルから水を計るだけ。
これをやり始めてから、ご飯の味がまた格段に上がりました。
炊き上がったら、すぐにほぐす
炊き上がったら、しゃもじで底から大きく返すように、さっくりとほぐしましょう。
これを天地返し(てんちがえし)といいます。
上の方と下の方の水分を調整するためです。
ほぐした後、できればお櫃に移しておくと冷めても美味しくいただけますよ。

新米のおいしさを保つ保存方法は?
お米は「涼しく・暗く・密閉」が基本
お米は生鮮食品です。精米したときから、少しずつ風味が落ちていきます。
いちばん理想的なのは、炊く直前に精米すること。
それが難しい場合は、お米の袋に書かれた「精米時期」を見て、なるべく新しいものを選びましょう。
精米時期から1か月以内に食べ切れる量を買うのが目安です。
保存のポイントは、温度・湿度が低く、光が当たらないところで、密閉すること。
キッチンのシンク下やコンロの近くは、温度や湿度が上がりやすいので避けましょう。
オススメは、ペットボトルや密閉できる保存袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存する方法です。
においの強いものの近くに置くと、お米ににおいが移ることがあるので気をつけてくださいね。
炊いたごはんをしばらく保存するなら、冷蔵より冷凍を
炊いたごはんを冷蔵庫に入れておくと、パサパサしておいしさが落ちることがあります。
これは、ごはんのでんぷんが冷蔵庫くらいの温度で固くなりやすいためです。
その日のうちに食べきれないごはんは、炊きたての温かいうちに1膳分ずつラップでふんわり平らに包むか、ご飯用保存容器に入れ、粗熱がとれたらすぐに冷凍しましょう。
炊きたての湯気ごと閉じ込めることで、温め直したときもふっくら感が戻りやすくなります。
ラップで包んだ場合は、平らにしておくと早く凍り、温めムラも少なくなりますよ。
冷凍したごはんは、1か月ほどを目安に食べきるのがオススメです。
新米に合わせたい、彩りの秋のおかず
せっかくの新米です。おかずにもひと工夫して、食卓を彩りよく整えてみませんか。
白いごはんは、いわば真っ白なキャンバス。
そこに秋の色を添えるだけで、見た目にも楽しく、栄養のバランスも整えやすくなります。
たとえば、
- 橙色のかぼちゃの煮物
- 黒色のきのこたっぷりのお味噌汁
- 緑色の青菜のおひたし
私が考案した「カラーフード学®︎」では、野菜の色に注目して、無理なく栄養バランスを整える方法をお伝えしています。
「1食で3色」を意識するだけで、献立を考えるのがぐっと楽になりますよ。
色と栄養の関係をもっと知りたい方は、>>カラーフード学®︎講座をのぞいてみてください。
まとめ
新米をおいしくいただくポイントは、
- 最初の水はすぐに捨て、やさしく研ぐ
- 水加減は目盛りどおりか少し控えめから、浸水せずザルにあげて20〜30分おく
- お米は野菜室で密閉保存、炊いたごはんは温かいうちに冷凍
の3つです。
毎日食べるごはんだからこそ、ちょっとしたコツで大丈夫。
いつもの食卓をぐん!と美味しくしましょう。
新米の季節ならではの甘みとつやを、ぜひ楽しんでくださいね!
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